去る8月3日(木)の
朝5時からのNHKラジオ
「マイあさ!」を
お聴きくださった皆様
誠にありがとうございました!
ご感想やお便りを寄せてくださった
皆様が私の励みになっております
感謝申し上げます!
今回お伝えした内容は
コロナ禍による中止や
縮小開催を経て
ことし4年ぶりに
通常開催された
仙台の夏の風物詩
「仙台七夕まつり」
全国の皆様に向けて
生放送でお伝えしました
毎年8月6〜8日の三日間
開催されている
仙台七夕まつり
6月の下旬になると
仙台駅の構内や
その周辺の商業施設の入口
飲食店などには
祭りを知らせる
吹き流しが飾られはじめます
さらに
仙台駅から
少し足を伸ばした通りには
子どもたちが描いた
七夕の絵も飾られていました
こうした仙台市内の
七夕まつりへの
盛り上がりを目にして
私も気持ちが
高鳴っていましたよ♪
その仙台七夕まつりで
飾られる
七夕飾りの特長は
丸いくす玉のような飾りの下に
細長い和紙が
ひらひらと飾られていていること
その大きさは
4メートルを超えるものばかり!
それを太く長い竹に
5つ下げるのが
仙台七夕のお決まりです
それが5つも並ぶと
まさに豪華絢爛!
とても見応えがあります!
仙台藩初代藩主
伊達政宗公の時代から続くとされる
仙台商人伝統の祭りは
本来は
さまざまな願いや
祈りを込めて
各家庭やお店が
手作りして
飾っていた祭り
だったそうです
それが
終戦の翌年から
商店街の店主たちが
街を活気づけようと
年を追うごとに
豪華な吹き流しが
お目見えするようになり
さらに
伝統に観光が加わって
華やかさが増していきました
まさに
「仙台夏の風物詩」
となったとのことです
祭りでは
そうした吹き流しを
商店街に入っているお店が
手作りし
飾っています
ただ
時間と労力がかかる吹き流し全てを
一から手作りするのが
難しくなっているお店も
増えてきています
仙台商工会議所の方によると
昔の商店街のお店は
食住一体が
ほとんどだったそうです
お店の営業を終えてから
夜遅くにかけて
店主と従業員の皆さんが
七夕飾りを手作りしていました
それが時代の変化で分離し
さらには
労務や環境の問題なども加わり
それが叶いにくなり
紙屋さんの協力を得ているお店が
少なくないそうです
ですが
吹き流しの最後の仕上げは
自分たちで
飾り付けされるお店もあるそうで
店主たちの祭りへの思いが
感じ取れました
皆さん力を出し合って
協力しあって
七夕まつりの伝統を
いまにつないでいます
時代が変わっても
伝統を絶やすまいという
仙台商人の心意気は
いまも脈々と
受け継がれているのです
そうした中
ラジオでは
今年も独自の吹き流しを
特別な思いで
全て手作りされた方々を
ご紹介しました!
仙台駅西口を出てすぐの
中心商店街
ハピナ名掛丁(なかけちょう)
こちらを入ってすぐにある
老舗のお茶屋さん
「大正園(たいしょうえん)」さんの
七夕飾りを
まずご紹介しました!
4代目の
佐藤英久子さん(さとう・えくこ)(58)
2019年も
七夕飾り作りの取材をさせていただき
マイあさ!で
ご紹介しました
(こちら2021年撮影の写真)
英久子さんは
コロナ禍まつりが中止となった年も
吹き流しを手作りして店に飾り
皆さんに元気と明るさ
力強さを届けてこられました
ことしも取材させていただき
7月下旬
英久子さんを訪ねて
また特別に完成前の吹き流しを
見せていただきました
それがこちらです
赤の折り紙をメインに折って作った
「ウインクをした
干支うさぎのだるま」が
何百個も
くす玉の下のひらひらとした和紙に
貼られいました
吹き流し全体が
赤とピンクで表現された
可愛らしい吹き流しでした!
こちらで表現したテーマが
だるまにかけて
「七転び八起き」
実は
去年(2022年)12月下旬
佐藤さんの店の近所で
火事があり
そのもらい火で
倉庫が焼ける
被害を受けました
幸い
くす玉など七夕飾りは
別の場所に保管していたため
無事だったそうです
焼け跡から救い出した
折り紙を再利用し
元気にがんばっていることを
皆さんに伝えたい
とこのテーマで作られました
さらに
英久子さんや
店の従業員の方以外にも
吹き流しの制作に
携わった人たちが
いらっしゃいました
英久子さんの
同級生や友人
そして
主に仙台市に住む
地域の人たちです
七夕飾り作り体験会を
去年に続き企画したところ
制作に協力したいと
集まってくれました
その体験会に
私もおじゃましたのですが
皆さん英久子さんの
アドバイスを受け
手際良く
飾りを貼り合わせたり
ペーパーフラワーを
貼り付けたりしていました
参加された方々からは
「作っている方のご苦労を
知ることができました
祭り当日は
そうしたことを心に留めて
眺めたいです」
などと話していました
英久子さんは
「仙台の大きな七夕まつりを
これからも
皆さんと一緒に作り上げ
次の世代に継承していきたい」
と話してくれました
そしてもうひとつ!
特別な思いで構想し
力を入れたのがこちら
火事からの復活を誓う
「不死鳥」の吹き流しです
英久子さんの息子さんが描き
こちらも
ボランティアの皆さんが
切り取るお手伝いをされました
七夕まつり当日
英久子さたちの
魂と思いと心がこもった
吹き流しがこちらです!
不死鳥も見事で
暗闇から力強く飛びたち
羽から
幸せと勇気の光を
注いでくれているかのように見え
なんだか
込み上げてくるものがありました
まさに豪華絢爛!
見事な素晴らしい吹き流しに
とても感動いたしました
佐藤英久子さん
ありがとうございました!
次にラジオでご紹介したのが
外国人留学生たちによる
七夕飾りす
東北大学で
日本や宮城の
伝統文化を学んでいる
46か国からの
留学生60人です
7月下旬
東北大学におじゃましてきました
週一回、授業の一貫として
日本人学生と一緒に
6月から
制作をスタートされたそうです
取材でお伺いした日は
祭り本番まで
あと2週間ほどに
迫っていました
吹き流しに付ける飾りの
足りない数を
丁寧に折ったり
出来上がった
ペーパーフラワーを
くす玉の骨組みに
針金を使って
しっかり
結びつけたりしていました
皆さん、折り紙に触れるのは
初めてだとおっしゃっていたのですが
それが信じられないくらい
とても器用に
美しく作っていたんです!
しかも和気あいあい
とても楽しそうでした
こちらは
くす玉の下の
ひらひらとした
和紙の部分
を作っているところです
皆さんは
ここに注目してほしい
とおっしゃっていました
そして
七夕まつり本番
商店街に飾られた
東北大学の七夕飾りが
こちらです!
見どころの和紙が
斜めにカットされています
吹き流しを
5つ全体で見ると
この部分が
徐々に短くなっているのが
おかかりでしょうか?
ここには
命が誕生してから
全うするまでの
人生の時間軸
を表現したそうです
「東」の文字の茶色の吹き流しが
「誕生」を表現し
和紙が一番長く
「学」の文字の紫のが
「生まれ変わり」を意味し
和紙が一番短くなっています
この吹き流しの
ことしのテーマは
「五大(ごだい)」
五大とは
宇宙を構成するとされる
5つの要素のこと
すなわちそれは
地(茶色)
水(水色)
火(赤色)
風(緑色)
空(紫色)
これらを
5つの吹き流しに表現し
さらに
それらに
人生における5つの段階
誕生(地)
夢 (水)
辛い(火)
幸せ(風)
生まれ変わり(空)
をそれぞれに
結びつけました
グローバルな発想と視点
そして感性が
吹き流しに込められいるなと
感心いたしました
このアイデアを提案し
制作全体を指揮した
ドイツからの留学生
アニカ・レーダーさんは
(右から2人目の女性)
「人生には辛いこともあるだろうけれど
いつか幸せは必ず来る
コロナ禍でこれまで
まさに辛い時期を過ごしましたが
これから先は明るい、人生は楽しい!
ということを吹き流しに表現しました
見てくれる人たちに
安らぎを与えられたらうれしい」
と通訳も交えながら話てくれました。
また他の留学生からは
「限られた時間に様々な国の人たちと
一つの物を作り上げるのは
とてもすごいことで
互いに理解し合わなければ
成し遂げられない
とても貴重な経験だ」
という声も聞かせてもらいました
祭り初日の朝に皆さんで
中心商店街に飾られた
吹き流しの前で
4年ぶりに
記念の集合写真を
撮られたとのことです
皆さんに笹飾りの前で
お会いすることは
できませんでしたが
丁寧で美しい吹き流しを眺め
取材でおじゃました時のことが
思い出されました
東北大学の
留学生の皆さん
ありがとうございました!
ここまで
仙台駅前の中心商店街の
七夕飾りをご紹介しましたが
七夕まつりを盛り上げるのは
中心部の商店街だけではありません!
仙台市郊外の
22の商店会も
それぞれ手作りの七夕飾りで
街を彩ります!
そのうちのひとつが
ことし6年ぶりに
七夕まつりに参加された
「八木山中央商店会」です
(やぎやま)
仙台駅から
車で南に
およそ20分ほど走らせた
高台にある商店会です
これまで
自粛モードだった商店会に
活気を取り戻したい!
という思いから
参加されました
加入している23の店舗
会員の皆さんが
手作りで笹飾りを準備され
それぞれのお店の入り口などに
飾られました
それがこちら!
竹の枝に吊るした
大きさは1メートルほどの
吹き流しです
中心商店街のとは違って
小ぶりではありますが
商店会の人たちの
優しさがにじみ出た
可愛らしい
手作りの笹飾でした
また
地元の人から
譲り受けたという竹に
吹き流しを連ねて飾った
笹飾りもお目見えしました
八木山中央商店会
会長の
加川修さん(かがわ・おさむ)(59)
に参加への思いを伺いました
子どものころ
八木山地区で育った
加川さんには
商店会のお店に立ち寄った
あたたかい記憶があるそうです
その楽しかった思い出が
今でも思い出されるそうです
そうした
ご自身の経験から
この地区の子どもたちに
大人になってからも
あたたかく記憶に残るものを
たくさん届けてあげたい
そして
地域の人たちのつながりを
深めながら
高齢化が進んでいる八木山地区に
再び賑わいを取り戻したい
と話してくださいました
仙台七夕まつりへの参加が
そのひとつになればと
優しい笑顔で語ってくれた
加川さんと
祭り当日
再びお会いしました
手作りの笹飾りで華やいだ
八木山中央商店会
会長の加川さん
ありがとうございました!
幼い頃から
七夕祭りを
見て楽しむ側の私でしたが
ことしも
取材をさせていただき
手作りのご苦労や
吹き流しに込められた思い
そして
祭りに参加する思いを
伺えたことで
深い感動とともに
笹飾りを
眺めることができました
豪華さと華やかさ
だけでなく
地域の人たちの
結びつきや
あたたかさも
深く感じました
祭り本番前
七夕飾り作りでお忙しい中
取材させていただいた
皆さん
誠にありがとうございました
来年も
穏やかに仙台七夕まつりが
迎えられますように
フリーアナウンサー
荒 響子