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児童書を音訳させていただきました

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鈴木 響子

宮城県音訳奉仕員として
音訳活動を始めて
ことしで2年目

宮城県視覚障害者情報センターに
通いながら
音訳録音をしています

とてもスローペースですが
ことしの夏に
2冊目の
音訳図書が完成しました

遅いご報告となりましたが
綴らせていただきます

まず音訳というものを
ご存知でしょうか

音訳とは
本などの文字を
書いてある通りに
音声化(録音)して

視覚などに
障害のある人たちに
音声データとして
提供することを言います


この夏
2冊目の音訳として
手掛けさせていただいたのは
こちらの児童書

『見えない壁だって、超えられる。
    クライマー小林幸一郎の挑戦』

文 高橋うらら 

小林幸一郎さんは
フリークライマー

28歳のときに
進行性の目の難病が発覚し
徐々に視力を失いました

小林さんが
クライミングに出会ったのは
高校生のとき

その経験と
持ち前の行動力をもとに
視力を失ってからも
挑戦を続け

パラクライミング
世界選手権で
4連覇を達成
世界のトップクライマーに
なられました

2023年に
現役を引退されましたが
「障害のある人にも
 クライミングで
 笑顔になってほしい」

この思いを胸に
現在は

小林さんが立ち上げた
「NPO法人モンキーマジック」代表
一般社団法人日本パラクライミング協会 代表理事
を務められながら

障害者へのクライミングの
普及活動を
行なっていらっしゃいます


この本には
多くの人に
挑戦するよろこびを
知ってもらおうと奮闘する
小林幸一郎さんの
活動の記録や思いが

ノンフィクションの
児童書を中心に
執筆されている
高橋うららさんによって
丁寧に綴られています


本を開いた
最初のページに

クライミングの壁の前で
笑顔で腕組みをしている
小林幸一郎が
大きく写っています


そしてそこに
大きな文字で
こう書かれています

「夢は探すものではなく、
 出会うものだ。」

この言葉の深さと
小林さんからのメッセージは
読み進めていくうちに
心に大きく響いてきます

誰もが心の片隅に
持っているであろう
「自分にはできるだろうか」
「無理かもしれない」
という諦めがちな小さな心

この見えない壁を超えて
新しい世界を
見に行こう!と
小林さんは伝えています


生きていると
素晴らしい
出会いや出来事がある

それは待っていても
誰も持ってきてくれない

だから
勇気を出して行動してみよう
そうすれば
インターネットから
情報を得るよりも
ずっと本物の
大切な出合いに結びついていく、と

たくさんの勇気をいただける
一冊です

本の中には
小林さんの
言葉「」の部分に加え

小林さんの
心の声()も
多く出てきます

こちらを
どう読み分けるかが
課題でした

音訳は朗読ではない
演技しすぎてはいけない

だけれど
小林さんの思いや言葉は
大切に汲み取って
表現したい・・・

そんな思いで
音訳させていただきました

音訳が完成し
録音図書として
実際に利用していただいている
という情報を
視覚障害者情報センターから
いただきました

とてもうれしく
ありがたい気持ちです
これからも音訳を続ける
励みとなりました


現在は音訳3冊目
小説を
手掛けています

1日も早く
利用される方たちに
お届けできるように
体調も整えながら
録音をしていきます

誰もが読書によって
豊かな人生が送れますように



フリーアナウンサー
鈴木響子